腎臓がん

腎臓がんは50歳以降の中高年の男性に多く認められます。発生原因ははっきりしていないところも多いですが、喫煙、性ホルモン等はリスクファクターとして考えられています。

症状3大主徴は、血尿疼痛腹部腫瘤とされています。
早期がんでは、自覚症状を認めず、検診や人間ドッグなどの超音波検査で偶然見つかることが多い病気です。このような段階で見つかった場合は転移がみられることはまれです。
治療手術療法が最も有効と考えられています。

腎のう胞

腎のう胞とは、腎臓にできる「水ぶくれ」です。1個のこともあるし、数個見られることもあります。加齢現象の一つで、女性より男性に多いと言われています。

症状ほとんどの人は症状がなく、健康診断の超音波検査やCT検査で偶然見つかることが多い病気です。のう胞が大きくなると腹痛や背部痛、血尿といった症状が出ます。
治療単純性腎のう胞と診断されていれば治療の必要は無く、経過観察のみでOKです。
しかし症状が出たら治療を行うこととなります。
まれにのう胞壁の石灰化や壁の不整が見られた場合、悪性のこともあるので注意が必要です。

よく似た名前で「多発性のう胞腎」という疾患があります。これは「腎のう胞」とは全く違う病気で、遺伝性の病気で腎臓にのう胞がたくさんでき、除々に腎臓の機能が低下していきます。症状は初期にはありませんが、のう胞がたくさんできて腎臓が大きくなるとお腹が張ってきたり血尿が出現することがあります。高血圧を合併することも多く見られます。
腎機能が低下していくと透析療法が必要になってきます。

尿路結石(腎結石・尿管結石・膀胱結石・尿道結石)

ほとんどは腎臓で形成され、診断時の結石の場所で腎結石尿管結石膀胱結石あるいは尿道結石などと診断名がつきます。

尿路結石画像

20~50歳の男性に多いと言われています。

尿に溶けこんでいるミネラル物質が何らかの原因で結晶となり、有機物質も巻き込んで石のように固まってしまう病気です。

腎臓結石、尿管結石が約95%を占め、膀胱結石、尿道結石は約5%ほどです。

また後者は前立腺肥大症や尿道狭窄などの尿の出にくくなる状態の時に多くみられます。

原因は摂取する水分の不足や食事(偏食、カロリー過多)などが原因と思われますが未だに解明されていない部分が多いのが現状です。そのほかに高カルシウム血症、尿路感染症、尿路通過障害(尿管狭窄、前立腺肥大など)、尿酸代謝異常(痛風など)、遺伝異常(シスチン代謝異常)なども原因になります 。

症状結石が腎から尿管に下降すると発作的な激しい痛みが側腹から背部にかけて起こります。吐き気や、冷や汗をともない、顔面蒼白となります。
症状は疼痛、血尿、排石(尿といっしょに自然に結石が出ること)が3主症状になります。血尿の程度はさまざまで血の塊が出る事もあれば、肉眼ではわからないものまでいろいろです。そのほか頻尿、陰のう痛などもみられることがあります。結石が尿管に詰まったり、尿道に詰まってしまうと、尿が出なくなってしまう事もあります。これは、緊急で処置する必要があります。
治療5mm前後のものであれば、水分摂取、運動および内服治療により自然に石が出ることを待ちます。痛みに対しては鎮痛剤の内服や坐薬を用います。それよりも大きい場合や経過を見ていてもなかなか出てこない結石に関しては破砕治療を行う必要があります。

急性腎盂腎炎

腎盂内の尿に細菌がついて炎症が起こったものを腎盂腎炎といいます。性的活動期の女性では基礎疾患がなくても起こることがありますが、尿路結石症や膀胱尿管逆流症などの基礎疾患を合併していることが多くみられます。この場合は、その原因となる疾患の治療が必要です。

急性腎盂腎炎画像

症状膀胱炎の症状+腰背痛、発熱が主な症状ですが、膀胱炎症状がなく急に発症することもあります。発熱は38℃以上に及ぶことが多く、菌血症(血管内に細菌が入り込み、時に重篤な状態に陥る)を起こしやすい感染症といわれています。
治療血液検査で炎症反応が軽度であれば抗生物質の内服治療で治りますが、発熱や炎症反応の程度によっては入院治療が必要となります。入院治療の場合は安静にすることと点滴治療を行います。腎盂腎炎は原因となる基礎疾患(尿路結石症神経因性膀胱、水腎症、尿管狭窄等)が存在する場合はそれらの治療も必要になってきます。