男性器の病気
亀頭包皮炎
亀頭包皮炎とは亀頭と包皮の間に細菌が繁殖して炎症を起こした状態を言います。
主に包茎の方、とくに小児によく見られます。
症状 | おちんちんの先が赤く腫れ上がります。膿が出たり、排尿時痛もみられます。パンツに黄色い膿が付着することもあります。 |
治療 | 抗生物質の内服や外用薬を塗布することで治ります。小児の場合、お父さん、お母さんが入浴時におちんちんをきれいに洗い、恥垢を取り除くようにしましょう。また、汚れた手でおちんちんをさわらないよう指導することも大切です。 |
包茎
包茎には仮性包茎、カントン包茎、真性包茎があります。
尖圭コンジローム
ヒト乳頭腫ウイルスによる性感染症です。
主に、性交やそれに類する行為から感染しますので、コンドームの使用が予防に効果的ですが、広い範囲に渡って感染している場合は、コンドームだけでは予防効果が薄れます。
停留精巣
精巣には精子を作ることと男性ホルモンを分泌するという2つの役割があります。精巣上体とは精巣の隣にくっつくようにして存在します。精巣で作られた精子はこの精巣上体を通って精管へと流れてゆきます。精子が精巣上体を通過することでより安定した精子になると言われています。
通常、精巣は胎児期にはお腹の中にあり、産まれてくるまでの間に袋(陰のう)の中に降りてきます。停留精巣とは精巣が何らかの理由によって、下降経路の途中で停留して陰のう底部に降りていない状態をいいます。男子性器疾患のなかで最も発生頻度が高い先天性奇形で、停留精巣の自然下降がみとめられる場合もありますが、1歳を過ぎるとほとんど期待されないと考えられています(1歳時には1%ぐらいといわれております)。
また、ソケイヘルニア・精巣腫瘍などを合併していることもあります。
停留精巣は腫瘍が発生しやすく、本症の1~2%に起こります。これは健康人の7~10倍とされています。腫瘍の発生しやすい原因は不明ですが精巣が陰嚢内に無いため温度が高い環境が原因と考えられています。
治療 | 2歳までに手術的な治療を行い、精巣を陰嚢内におろしてあげることが大事です。放って置くと成人になってから癌化することがあるので注意が必要です。 |
陰のう水腫
主に乳幼児に見られ、新生児男子の6%程度に起こると言われています。
通常、精巣は胎児期にはお腹の中にあり、産まれてくるまでの間に袋(陰のう)の中に降りてきます。陰のうが通った道は、普通は自然に閉じますが、これがうまく閉じなかったり、閉じるのが遅かったりすると、お腹の中の水(腹水)が陰のう内に入り込んでしまいます。この状態を陰のう水腫といいます。まれにソケイヘルニアを合併していることもあります。
精巣腫瘍
精巣には精子を作ることと男性ホルモンを分泌するという2つの役割があります。精巣上体とは精巣の隣にくっつくようにして存在します。精巣で作られた精子はこの精巣上体を通って精管へと流れてゆきます。精子が精巣上体を通過することでより安定した精子になると言われています。
精巣腫瘍は25歳~35歳くらいの働き盛りの男性に好発する悪性腫瘍です。この疾患は進行の早い悪性腫瘍であるため、初診時にリンパ節や他の臓器に転移している例も少なくありませんが、抗がん剤による化学療法の進歩により、進行している場合の治療成績も着実に進歩しています。
精巣上体炎
精巣上体とは、精巣の隣にくっつくようにして存在しています。 精巣上体炎とは、精巣上体の感染症で、精路上行(尿道→精管→精巣上体)に起こることが多く、原因は、細菌性などの感染です。クラミジアや淋菌などの性行為感染症(STD)によっても生じることがあります。
症状 | 発熱・局所の肥大・圧痛・触っただけでも痛い・歩くと痛いなどの症状が見られます。通常、これらの症状に加えて、膿尿や細菌尿などの症状が強く出ますが、クラミジアでは、症状が軽度で膿尿もみられないことがあります。 |
治療 | 安静、抗生剤など保存的に行います。 腫大は2~3週間で治まりますが、しこりがなかなか消失せずに、治った後でも小さく残ることがあります。 |
重要な鑑別に精巣捻転症があります。これは精巣がねじれることであり、この時、精巣動静脈もねじれるので精巣へ血流が行かなくなり、血流遮断による壊死を生じます。そこで、突然強い痛みが起こり、精巣が腫れます。これは幼児から思春期にかけて多く、年とともに次第に少なくなります。精巣動静脈がねじれると、なるべく早く(6時間以内)に整復しないと精巣は壊死に陥ることになります。そこで、炎症との鑑別 が困難な場合、治療と検査を兼ねて試験切開することもあります。
血精液症
精液に血液が混じる病気です。
原因が分からないことが多いですが、ひとつに精のうや前立腺が炎症を起こし、射精の時に血管が破れて出血します。血精液症は一度治っても再発することがあります。また精子に悪影響はありません。
若年者ではあまり心配はいりませんが、時に前立腺がんによって起こることもありますので注意が必要です。
精索静脈瘤
左精巣静脈血は、右と異なり直接に下大静脈へ流入せず、一度腎静脈を通ってから下大静脈へ流入します。このため静脈圧が上がり左側に精索静脈瘤ができやすくなります。
症状 | 左側の股の付け根や左陰のう部の違和感や腫脹を訴えます。 |
治療 | 男性不妊の原因となることもありますが、症状が軽度なら経過観察をします。 |
ED(勃起不全)
「勃起障害」ともよばれ、男性の性機能障害のひとつで、昔は「インポ」とよくいわれていました。
加齢とともに増加傾向にあり、日本では40~50代男性の半数がEDに悩んでいるというデータがあります。原因は様々ですが、精神的なストレスといった心因性ED、神経、血管などの器質性ED、その他に糖尿病や高血圧、高脂血症といった生活習慣病も原因となることがあります。
症状 | 正常な勃起とは、性的刺激が脳から神経を介して陰茎に伝わると、陰茎の血管に血液が流れ込むことによって起こります。EDの場合、血管に血液が十分に流れ込まないために、勃起しない・勃起しても硬くならない・満足した性交ができない・・といった症状が起こります。 |
治療 | 内服治療が中心です。様々なEDの薬がありますが、飲めばOKというものではなく、性的興奮など起こらなければ勃起はしません。また効果持続時間も薬により異なります。 ED治療薬は、心臓の薬など、一緒に服用することを禁止されている薬がありますので、必ず病院で服用している薬を確認してもらってください。 EDの治療は全額自己負担です。 |